双極性障害に対する有効血中濃度はよくわかっておりませ麗図15‐5リチウム(Li)・カルバマゼピン(CBZP)併用療法中の病相数の変化(小村,他)治療前Li−CBZP併用療法中Li−CBZP併用療法中同時に予防雌/ml○○を目安にするのがよいといわれています。
少ない気分安定薬による胎児催奇形性「女性のうつ病」。
前にも述べましたが、気分安定薬を妊娠中の女性に投与することは、慎重でなければなりません。
米国専門家委員会の報告では、予防効果についてバルプロ酸、リチウム、カルバマゼピンの順位をつけております。
前にも述べましたが、リチウム、カルバマゼピン、バルプロ酸の単剤では効果が認められない場合でも、三者を併用することによって治療効果と予防効果が認められるケースがめずらしくありません。
多くは双極型障害、しかも頻発する双極型障害の場合に気分安定薬による併用療法が有効です。
予防のための精神療法。
うつ病を予防するにはどのような心がけが必要か、と患者さんや家族の方々からよく質問を受けます。
うつ病が軽快に向かってきて、もとの生活にかえる頃になりますと、発病したきっかけと患者さんの性格傾向の関連性についてもよくお話をします。
非定型抗精神病薬による操うつ病の予防。
うつ病の治療方針のなかに非定型抗精神病薬という薬剤が出ております。
最近五年間でもっとも注目されている薬剤はこの非定型抗精神病薬です。
本来、統合失調症の治療薬として登場しましたが、気分障害にも有効であることがわかり、世界中で気分障害(操うつ病)の治療薬として承認されるに至っております。
蕊クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、ペロスピロン、イプサピロン、難ジプラシドンの七種類があります。
いずれの薬剤も操うつ病の治療薬としても、また予防薬としても有効なのです。
難治性うつ病や再発を繰り返すうつ病に併用すれば良好な予後が望めます。
世界的にも多くの研究報告がみられますが、日本では少なく、私は目下、臨床経験を積み重ねております。
催奇率を比較すると、バルプロ酸、カルバマゼピン、リチウムの順に危険度が高いのです。
具体的に再発予防として、Mは次の点が大切であると述べています。
疲れたらすぐ休むのが一番。
原因や性格のところで述べましたように、疲れても責任感や完全主義などから頑張り続けるのが一番よくないので、早めに休むことが重要です。
他人に任せられるものは任せます。
今日できることを明日に延ばすのではなく、今日できることでも明日に延ばすくらいの気持と実行が必要です。
定年、引越し、転勤、死別その他予測できるものに対しては心の準備と、そういうときは特に無理せぬよう注意が必要です。
鯵過剰適応を見直す現在の社会では、仕事や昇進の競争、ノルマ、能率至上主義、単身赴任、その他多くのストレスがあり、うつ病にとって悪条件がいっぱいです。
心身をいためてまで頑張るべきことでしょうか。
仕事一本やり、仕事中毒から、趣味やレクリエーションその他、別の生きがいをもつなど、ゆとりが必要でしょう。
現在の社会への過剰適応の努力の見直しが必要でしょう。
世の中全体の考え方の変化が望まれますが、さしあたっては自衛が必要です。
家族も価値観の見直しが必要でしょう。
お隣さんや同僚と比較して尻をたたくことは避けたいものです。
将来、再発をしないようにする心構えとしては、生き方を少し変えることによって対人緊張をやわらげるように指導します。
そして、状況が変化して心身の違和感を自覚したときは、すみやかに受診するように指導し、早期発見、早期治療を目指しています。
このためには、うつ病の治療中に患者さんとの緊密な信頼関係を形成しておくことが必要であることはいうまでもありません。
ひとりで背負い込まない悩みがあっても相談しない、できない人が多いのですが、ひとりで背負い込まぬよう、家族、職場、医師に相談できるよう、あるいは代わって相談するよう心配りをしてあげてください。
くり返すときは再発予防薬再発をくり返すと、仕事を続けられなくなったり、周囲の信用もなくなったり、経済的にも家庭内でも、家族の苦労はいっそう深刻になります。
ふつう、よくなれば抗うつ薬は中止しますが、再発が多ければ、気分安定薬であるリチウム(リーマス)やカルバマゼピン(テグレトールなど)、クロナゼパム、バルプロ酸の単剤または併用により、再発を予防できることはすでに述べました。
完全に予防できなくても、軽くなったり、続けているうちに次第に起こらなくなったりすることも期待できます。
米国専門家委員会では、表賜‐岨に示すような注意点をあげており、参考にしていただきたいと思います。
轡再発の早期発見、早期治療をいくら気をつけていても、特に原因なく起こることもありますので、早期発見、早期治療が大切です。
再発すると、患者さんは最初と同様病気と思えなくなり、自分で克服しようとします。
また、からだの病気と考えて精神科以外の診療科を受診しやすいものです。
再発すると決断困難になり受診を迷いますし、外へ出たり病院へ行くことをためらったりで受診が遅れます。
家族が早く気づいて受診させることが非常に大切です。
家族にも不調をもらさぬことがありますが、睡乱れ、食欲不振、疲れやすさ、朝の気分不良、性欲の低下や、以前にあった症状に気をつけましょう。
うつ病の患者さんを治療していると、患者さん自身や家族の人たちからうつ病に関する多くの質問を受けます。
質問の内容をメモしてみましたところ、以下に述べるような質問が多く寄せられ、患者さん、家族の方々の関心の深さと知識の豊富さを知ることができました。
逐次それを説明しましょう。
うつ病の薬物治療では、いつまで薬を服用すればよいのですか。
完全に中止することはできるでしょうか。
むずかしぃ質問です。
定まった見解はないのですが、わたしの経験では、うつ病の治療では有効量の抗うつ薬を用いて症状が改善。
うつ病は遺伝するのでしょうか。
うつ病のなかには、操病をもつ双極型うつ病があります。
思春期頃より発病する双極型うつ病、特に女性の患者さんの場合には、遺伝負因が認められる場合がときどきみられます。
しかし、更年期に発病するうつ病では、ほとんどの例は遺伝負因が認められないのです。
うつ病になりやすい性格の遺伝は確かにあるといえましょうが、そのような性格的素質を受けついだ場合でも全員が発病するわけではないのです。
うつ病は男女どちらが多いのでしょうか。
うつ病になる方々は男女ほぼ同数であることが日本の論文では明らかにされておりました。
しかし、欧米では女性対男性は二対一程度に女性が多いといわれております。
わたしの最近の臨床経験でも同様です。
詳細な理由は明らかではありませんが、女性特有の性ホルモンの影響が大きいため、と考えてよいと思います。
この場合は、ただちに服薬を中止して専門医を受診してください。
高齢者の場合は、抗うつ薬の種類にかかわらず副作用が出やすいので、成人に用いる用量の二分の一程度から治療をスタートするのがよいのです。
副作用の少ない抗うつ薬、たとえばSSRIであるフルボキサミン、パロキセチン、セルトラリンや、SNRIであるミルナシプランを選択することも大切です。
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